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テーマを定める
TAEは、分析者の「理解」を媒介として研究対象に暗在する意味を顕在化していきます。このため、開始前に、分析者の「理解」が存在することが前提です。普段から馴染んでいる経験か、または、覚えるくらい繰り返し読んだ(見た、聞いた)資料を研究対象にします。
TAEを始める前に、研究対象を「わかっている感じ」を、あえて言葉にしないで充分に感じます。この行為により「理解」が暗在的に形成されます。暗在的というのは、言語化されておらず身体的に感じられるという意味です。この「理解」が、TAEの直接的な分析データとなります。
テーマを「〜(研究対象)について」などと簡単な文言で表現しておき、形成させた「理解」に対してTAEを適用していきます。テーマの文言は途中で変更することができますが、最初に形成させた「理解」は一貫して保持していきます。
このようなユニークなテーマの定め方をするのは、言葉で表現できることよりも感覚的に理解できることのほうが広くて深くて正しいというジェンドリンの哲学理論に基づいているからです。
「わかっている感じ」(「理解」)が感じられるものであれば、TAEは、研究対象の種類や形式を問いません。文字データがあってもなくても実施できます。「何か変だ」「うまく言えなくてもやもやする」という感覚も「わかっている感じ」に含めます。全くわからない対象に対しては、残念ながら、TAEは適用できません。